議長の閉会宣言と閉会時刻

2015年6月3日 掲載

○議長の閉会宣言と閉会時刻は必要か?

 取締役会議事録には、「取締役会が開催された日時及び場所」を記載しなければならないとされています(会社法施行規則101条3項1号)。「開催された日時」とされている以上、開会時刻だけでなく閉会時刻も記載する必要があります。
 閉会時刻は議長が閉会宣言をしたときが閉会時刻とされています。そこで、議長の閉会宣言についても取締役会議事録に記載すべきです。

○議長の閉会宣言と閉会時刻はどこに記載すべきか?

 議長の閉会宣言と閉会時刻については、記載しなければならない場所についての規定は特にありません。通常は、議事録の冒頭に開会時刻・開会宣言とまとめて書くか、議事録の末尾の部分に閉会宣言と閉会時刻に書くのかに分かれると思われます。
 この点、実務的には、末尾の部分に記載することが多いようです。

○記載例

以上、会議の目的たる事項を全部議了したので、午前11時、議長は閉会を宣言した。

平成××年×月×日(×曜日)午前10時00分、当会社本社役員会議室において、取締役×名全員出席のもとに×月度定例取締役会を開催、A取締役社長議長席につき開会を宣し、次の議事を付議し、午前11時00分閉会した。

開催日時 平成××年×月×日午前10時00分
閉会日時 平成××年×月×日午前11時00分

 会社法は、取締役会についての用語では「取締役会の目的である事項」(会社法366条2項)、「議事」(会社法369条3項)という用語を用いており、株主総会の場合のように「会議の目的である事項」(議題)と「議案」(会社法304条)とを分けていません。
 したがって、「議題」や「議案」という用語はあまり用いるべきではなく、「会議の目的である事項」や「議事」等の用語を用いるべきです。

 なお、取締役会議事録によっては閉会時刻を記載していないものもありますが、「開催された日時」(会社法施行規則101条3項1号)とされている以上、閉会時刻は記載すべきです。また、閉会時刻を記載することで、取締役会の所要時間も知ることができることからも、やはり閉会時刻は記載すべきといえます。


上記内容は掲載日時点の法律に拠っています。最新の情報ではない可能性がありますのでご注意ください。