決議事項 ~支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止についての決議、その他決議事項~
2015年3月11日 掲載
○支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
取締役に委任できない事項として「支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止」(会社法362条4項4号)が定められていることから、この事項については取締役会の決議によって決定しなければなりません。
1.A研究所の設置について
議長から、新規事業を強化するため、平成×年×月×日から、A工場を設置したい旨の提案があり、議長この賛否を諮ったところ、全員異議なくこれを決議した。
●「重要な組織」
「重要な組織」とは、本社の部・工場・研究所等が挙げられます。重要な組織とは会社によって何が重要かは異なってきます。「重要な組織」は前回述べました「重要な使用人」(会社法362条4項3号)と密接な関係があります。つまり、工場を置くと同時に「工場長」を選任することとなることとなるからです。したがって、工場の設置と工場長の選任を同時に行うときには、両方の事項についての取締役会決議が必要です。
●実務的な問題点
実務的には、実質的に支店としての機能を有しているにもかかわらず会社法上の「支店」としていない場合や、支店より営業規模の小さい営業所や出張所がある場合に、「支店その他の重要な組織」と含めるかが問題となります。
○その他の決議事項
取締役会で決定しなければならない事項の説明をしてきました。
会社法上は、その他に362条4項各号に記載する事項と「その他の重要な業務執行の決定」を取締役に委任できない事項と定められていることから、これらは取締役会での決定が必要となります(同362条4項)。
5号及び6号については、条文の文言として問題になる場面は少ないことから省略させて頂きます。
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