決議事項 ~定時株主総会の招集1~

2014年10月8日 掲載

 定時株主総会の招集は、取締役会における決定事項の1つとなっています(会社法296条3項298条4項)。そこで、今回は、定時株主総会の招集について記載例を交えながら説明したいと思います。

■記載例

1.第◯回定時株主総会招集の件

日時 平成×年×月×日(□)午前◯時
場所 東京都○○区○○町1-2-3
   当社本店◯階会議室

2.株主総会会議の目的事項決定の件

報告事項

  1. 第◯期(平成◯年◯月◯日から平成○年◯月◯日まで)事業報告の内容、連結計算書類監査結果報告の件
  2. 第◯期(平成◯年◯月◯日から平成○年◯月◯日まで)計算書類の内容報告の件
    決議事項
    第1号議案 剰余金処分の件
    第2号議案 取締役□名選任の件
    第3号議案 監査役□名選任の件
    第4号議案 退任取締役に退職慰労金贈呈の件
  3. 取締役候補者決定の件
    重任 A  、B  、C
    新任 a  、b  、c
  4. 書面による議決権行使に関する事項
    1. 株主総会に出席しない株主は書面により議決権を行使することができる。
    2. 議決権行使書の賛否欄に表示のない場合は、賛成と取り扱う。
    3. 株主総会参考書類に記載すべき事項

 上述の記載例は、株主数の1,000人以上の会社においては、書面による議決権行使に関する事項も決定しており、典型例の1つといえます。
 招集にあたって、株主総会の日時・場所、会議の議題(株主総会の目的となる事項)、書面等による議決権行使を認める場合にはその旨、その他法務省令で定める事項を取締役会で決定しなければなりません(会社法298条1項会社法施行規則73条1項1号)。そこで、「1.第◯回定時株主総会招集の件」のところで日時と場所を、「2.株主総会会議の目的事項決定の件」のところで会議の議題を、「04.書面による議決権行使に関する事項」のところで書面決議についての記載をしています。
 「その他法務省令で定める事項」については、次回説明したいと思います。
 次の記載例としては、別紙を用いながらより詳しく記載しています。

1.決議事項

第1号議案 第◯期(平成◯年◯月◯日から平成○年◯月◯日まで)貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表及び事業報告並びにこれらの附属明細書承認の件

標記に関して議長より、去る○月◯日開催の第××回取締役会において承認決議された第◯期事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書を会社法436条1項及び2項の規定に従い、同日監査役及び会計監査人にそれぞれ提出したところ、それぞれ別添内容のごとき監査報告を受領した旨の報告及びこれらの書類の承認を受けたい旨の提案があった。
次いで、議長は本議案の賛否を議場に諮ったところ、満場一致をもって本議案を原案どおり可決した。
別紙 会計監査人 会計監査報告
監査役会  監査報告

   ・・・・・・・・・・

  1. その他株主総会に関する事項
    1. 株主総会に出席しない株主は、書面によって議決権行使することができることとする。
    2. 議決権行使書面の各議案について賛成又は反対いずれかの意思表示がない場合は、賛成の意思表示があったものとして取り扱う。
    3. 株主総会参考書類に記載すべき事項(会社法施行規則63条3号イ)
    4. ウェブ開示措置をとって、株主総会参考書類に記載しない事項(会社法施行規則63条3号ホ)
    5. 代理人の数は、1名とする。

 今回は記載例を中心に説明をしてきました。次回は、より具体的な内容の説明をしていきたいと思います。


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