株主総会議事録の必要性
2013年7月25日 掲載
年度の区切りである3月末日を決算期末として、6月にその定時株主総会を予定している企業はかなり多いと思われます。
会議・会合に議事録は付き物ですが、いざ議事録作成!という時にその方法がわからなければ困りますよね。
そこで、今回から始まる連載は「議事録」がテーマ。
どんなことに気を付けるべきか、一緒にチェックしていきましょう。
○株主総会とは?
株主総会とは、株式会社の実質的所有者である株主が集まって意見を出し、会社としての意思決定を行うものです(会社法295条1項)。
株式1株につき1個の議決権が与えられるため、株式を沢山保有している人ほど多数の議決権を行使できます。
株主各人よりも、それぞれの出資額の多寡を重視した意思決定制度といえるでしょう(同308条1項)。
○株主総会議事録は必ず作成しなければならない
会社の変遷を辿るにあたっては、「いつの株主総会で、どのようなことを決めたか」「どの役職を、誰が、どのくらいの期間務めたのか」などといった事項を確認できるものが必要になります。
そのため、株主総会議事録は、株主総会での議事の経過や結果を明瞭に記録する役割を担っており、法令も、この作成義務を認めています(同318条1項)
もしも、議事録への記載・記録が命じられている事項の記載等を怠ったり、虚偽の記載等をしたりした場合は、その作成者に対して100万円以下の過料が科せられます(同976条7号)。
ただ、株主総会議事録は議事の経過や結果を記録しておくためのものなので、その目的を逸脱していなければ実際の総会とは若干違う部分があっても問題ありません。
総会の内容や決議の結果に影響することはないので、あまり神経質にならなくとも大丈夫ですが、こうした実際と異なる部分のある株主総会議事録が登記申請の際に用いられた場合、意図せぬ内容の登記がなされてしまうおそれもあるのでご注意ください。
記録すべき内容の詳細は今後示していきます。
上記内容は掲載日時点の法律に拠っています。最新の情報ではない可能性がありますのでご注意ください。