メールのモニタリング

2011年12月27日 掲載

 職場における電子メールやインターネットの接続状況のモニタリングについては、私用の防止や企業等の機密情報の漏洩による損害防止、企業内の情報システムの安全確保等の目的で行われるものについては、「業務上の財産の保全」のために行われるものにあたると考えられます。
 また、一般的に従業員は勤務時間中、会社に対して業務専念義務を負っていますから、勤務時間中に私用メールを作成して送信したり、受信した私用メールを読んだりすると、業務専念義務との関係でも問題となります。

 したがって、企業による電子メール等のモニタリングについては、その目的や手段が合理的なものであれば、指揮命令権や業務監督権の行使であり、必ずしも違法とはいえないと考えられます。
 ただし、その実施にあたっては、電子メール等の利用規則にその旨を明示すること等により、あらかじめその概要を労働者に知らせた上で行うことが適当と考えられます。具体的には、モニタリングの対象を原則として送受信記録あるいはこれにメールの件名を加えた範囲に限定し、やむを得ない場合を除いてはメールの内容にまでは立ち入らないようにするなど、あくまでも目的の達成に必要不可欠な範囲内で行うことが望ましいといえます。さらに、モニタリングが適正に実施されているかどうか、定期的に監査を行うなど、モニタリング制度の信頼性を高める措置を講じるべきでしょう。


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