有給休暇時の賃金
2011年12月27日 掲載
年次有給休暇を取得した際の賃金は、(1)「通常の賃金」、(2)「平均賃金」、もしくは健康保険法の(3)「標準報酬日額」のいずれかによって決められます(労働基準法39条6項)。
どの計算方法によるかは、就業規則等で定めなければなりません。
仮に(2)「平均賃金」を基に算定されている場合、その平均賃金は、(a)算定すべき事由の発生した日以前3ヶ月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいうとされています(同法12条柱書き、原則)。
ただし、その金額は、賃金が、労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められた場合においては、(b)賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の60%を下回ってはならないとされています(同条1項、平均賃金の最低保障)。
そして、原則で算定した額(a)と平均賃金の最低保障で算定した額(b)のどちらか高い方が「平均賃金」となります。
例えば、相談者が2011年4月から6月まで週5日勤務で1カ月あたり20万円を支払われていた場合(労働日数61日)、原則(a)によると
20万円×3ヶ月÷91日=約6593円
が平均賃金となります。
他方、平均賃金の最低保障(b)によると
20万円×3ヶ月÷61日×60%=約5901円
が平均賃金となります。
ですので、この場合原則(a)の方が「平均賃金」となります。
上記と異なり、実際に働いた日数が少ない場合には平均賃金の最低保障(b)の方が労働者にとって有利になる場合もあります。
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